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BONNO!
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ヒカ・キャス・テメに対する煩悩かべうち

No.289

#コンビ以上カプ未満
#一房のブドウ関連
タイトル:一房のブドウ

テメ主人公でキャス拾ってからの二人のアレソレ書くの楽しそうだなーと思ったので。回想スタイル。


治療のお礼にって沢山渡されたから、お裾分けにきたのよ」
籠布を取り上げ、彼女が見せたのは紫や黄緑のぶどうだ。そのうちひと粒をちぎり、テメノスに差し出す。
「大量ですね。子供たちに分けてあげても構いませんか?」
「ええ、勿論。そのつもりで持ってきたもの」
瑞々しいそのひと粒を目で楽しんだあと、一口かじる。甘く、爽やかで、酸味も少なく、子供たちも気にいるだろう。
「残ったら、ジャムにしましょうね。キッチンを貸してもらえる?」
「どうぞ。好きに使ってください」
「助かるわ」
ただ、共に長く旅をしただけではあるが、家を自由に貸しても良いと思うほどには親しみがある。相手がソローネであってもアグネアでも、オーシュットであってもそれは変わらない。
「楽しい夜になりそうですね」
「あら、今日はいつになく素直じゃない」
「久しぶりに顔を合わせた友人に、素気ない反応をするほど子どもではありませんので」
軽やかな笑い声が懐かしい。久しく聞いていなかった、茶器のこすれ合う音に耳を澄ませて、テメノスはもう一粒ぶどうを摘むことにした。

という始まりで。どうだろうか!いいと思う!
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