#コンビ以上カプ未満テメとキャスの会話@クラックレッジ:ヒカくんやオズとの関係性は実プレイベースオシュ・テメ3章後特に何も起こらないこれをコンビで出すと「ああこの作者はこの二人のカプが好きなんだな」って匂いを感じる(テメとキャスがお互いのことを原作以上に心配してると示す)ので、コンビとして表に出すのを躊躇いました。短編です。2025/1/5追記。上記は考えすぎなのでは?の顔をし始めました。修正すればコンビで出せるのでは??🤔続きを読むタイトルは「Likewise(お互い様)」溶岩を固めて作り上げたような魔物──テラの咆哮が轟いた。「それじゃあ、島で合流!」オーシュットの明るい声がなければ、テラの威圧に負け、人々に退避するよう促したかもしれない。地響きを立てながらテラは海岸へ向かって歩き出し、大きな岩山のようなその身体が徐々に海へ遠ざかる。「はあ~、腹減った〜!」「お疲れ様、オーシュット。みんなも、街へ戻りましょうか」「そうだな」キャスティ、ヒカリは戦闘慣れしている二人で、テメノスが同行する旅団(パーティ)の要である。オーシュットは魔物を使役でき、自身も俊敏に、狩人として容赦なく矢を放つため戦闘向きで──つまり荒事には不向きなテメノスがなぜここに立っているのかというと、彼らの傷を癒やす、後方支援のためであった。「皆さん、回復を忘れていますよ」「ありがとう、テメノス」回復魔法を唱えるとテメノスを中心に淡い緑光が波状に広がり、全員の傷を癒やす。治療面では誰よりも先んじて動くキャスティが、嬉しそうに頬を綻ばせた。「助かる」「テメノス……! ありがとう!」「どういたしまして」順番にはしごを登り、道を案内してくれたポムに礼を述べて別れる。じゃれつくオーシュットと先程のテラについて語り合いながら、他二人の後に続き、酒場で待っていた仲間達と合流した。「俺は先に戻る。……静かな場所で本を読みたい」「外は寒いと思うけど」「構わん」「待って。それなら温かいコーヒーでも持っていったら?」若い面子が楽しげに会話をする横で、席を立つオズバルドをキャスティが引き止めていた。ため息をついたが、大柄の学者はそのまま腕組みをして待つ姿勢を見せる。キャスティは彼がそうすると分かっていたように、何も言わずに店主へ声を掛けに行った。「彼女の目から逃れるのは至難の業ですね」カウンター端に座っていたテメノスが話しかけるとオズバルドは無愛想な顔の、瞳だけをこちらへ動かし、再び前へ戻す。鼻息のような、ため息のような、曖昧な息を吐く。呆れたらしい。「……そうでもない」「というと?」「気がかりがなければ見逃すだろう、彼女は。現に、ヒカリは素通りだ」話している最中にちょうどヒカリが席を立った。酔いを覚ますらしいが、彼が一人になってすることなど剣の修練だと皆が知っている。窓の外で剣を振るい始めたヒカリを見て、アグネアが負けじと立ち上がる。この酒場に踊り場はないが、角のほうに空間があり、そこで吟遊詩人がギターを演奏していた。「……座る場所の問題では?」「アグネアちゃん、今朝咳をしていたでしょう? 今夜は休ませたほうがいいと思うわ」テメノスがオズバルドに言い返した矢先、コーヒーを片手にキャスティがアグネアを引き止める。オズバルドに渡すとすぐに離れ、キャスティはアグネアの喉の調子を確認し始めた。大丈夫! と笑って返していたアグネアの顔が、だんだんと気まずそうな表情に変わる。最終的に、目の前で調合された薬を飲んでから歌い始めた。テメノスが納得を示すまでもなく、オズバルドは酒場を出ていってしまい、パルテティオは近くの席の労働者と語り合い、ソローネとオーシュットは熱心に各々の武器について話し込んでいる。アグネアの歌が始まる。店内を満たしていた喧騒が歌い出しにかき消され、客達は話を止めて歌に聞き入る。隣の席にキャスティが座った。目を合わせるだけで、互いに何も言わない。仲間の歌声に耳を傾ける。彼女の横顔からアグネアへ視線を移す。共に旅を始めて数ヶ月が経った。旅が終わりに差し掛かっている者もいれば、まだ旅を始めたばかりの者もいる。テメノスはどちらかといえば前者の方だが、キャスティについてはどちらとも言い難い。記憶が戻った時を終わりとするなら、彼女の記憶はいま、どこまでが取り戻せているのだろう。自分のことよりも他者を優先する、薬師としての姿が彼女を支えているのだろうと思ったから、テメノスは彼女のそういう部分を信頼していて、ゆえに、同じだけ心配もしていた。これだけ相手を助けようとする彼女が、記憶を失うほどのこと──例えば、過去に彼女が何らかの罪を犯してしまったことを理由に記憶を失ったのだとしたら、今の彼女はそれを受け入れられるのだろうか。それだけではない。彼女が被害者となった可能性もある。歌が終わる。ワッと拍手と歓声が沸き起こった。「今夜はゆっくり眠れそう。優しい歌だったわ」「そうですね……」「どうかした?」カウンターに片腕をつき、キャスティがこちらへ向き直る。「もしかして、考え事かしら」「いいえ、昼間の件は保留です。次の調査場所へ向かうまでに考えれば良いので」「ふうん……?」店主がエールを彼女の前に置いた。コーヒーのついでに注文していたのだろう、テメノスにも要るかと聞かれたが遠慮した。マグの半分ほどまで豪快に酒を飲み、しかし、吐いた息は紅茶でも飲んだかのような落ち着きがあり、隙のない女性だなと思う。「昼間の女性のことを考えていたとか?」こちらは真面目に考えていたというのに、一仕事終えた彼女は職務中とは打って変わり、軽い雰囲気でそんな冗談を口にした。ソローネならまだしも、彼女にそんなことを言われるとは思わず、なんですかそれは、と半目になってしまう。「聖堂機関はあなたのことを目の敵にしているようだし、なかなか気が抜けなさそうだと思って。それに、あなたって言動だけは不真面目だけど、真面目だから……根を詰めすぎちゃだめよ?」「ご心配なく。謎を解き明かす過程が、なによりも楽しいですからね」こちらが心配されているとは思いもしなかった。困ったように笑った後、キャスティは酒の残りを数口に分けて飲み干す。もう一杯を頼むので、テメノスも便乗した。「飲むの?」「ええ、あなたを見ていたら飲みたくなりました」リーフを支払い、届くのを待つ。テーブル席ではヒカリとアグネアが戻り、五人で和やかにデザートを頼んでいた。「キャスティ。次の質問は雑談なので、真に受けなくて構いませんが、聞いてくれます?」「あら、なにかしら」酒が届く。ビアマグを掲げて、乾杯をする手前、頬を色付かせた彼女を見つめた。「記憶を取り戻したら、実は恋人がいた……なんてことになったら、あなたはどうします?」一方的に乾杯を終わらせて、酒を飲む。質問を吟味するように、時間をかけて酒を飲んでいたキャスティだったが、ふむと頬に手を当てた後、なんでもない表情のままテメノスを見た。「面白い話だけど、残念ながら、どうもしないわね」そう言って唇を湿らせるように酒を含む。「鞄の中に手紙はなかったし、恋人らしき存在について手記にも書いていなかった。私のことだから──と言っても、まだ分かっていることは少ないけれど──好きだったら、一言二言くらいは書くと思うのよね」「なるほどなるほど。それは確かに」「それに……これは想像だけど、恋人より患者を優先してしまうから、私を恋人にしようなんて人、きっといないわよ」離れたテーブル席で笑い声が起こる。彼女は事実を口にしただけなのだろうが、それはどこか自嘲じみた響きを伴って聞こえた。「そんなことはないでしょう」かろうじて、それだけを答える。それ以上のことを口にしようものなら、この話題が別の意味を持ってしまいそうだった。ふ、と突然彼女が吹き出す。「さっきの冗談、思ったより効いたのね。ごめんなさい、からかって」「……違います」「あなたは良い神官だと思うわ。本当よ」「それはどうも」肩を竦めてどうにかそれだけ言い返す。酔いが回ってきたのか、キャスティはまともに取り合いはせず、テメノスもそのまま不貞腐れたふりをして、他の仲間達と共に席を立った。諦めてカプ寄りにするべきだったかな……分からない。カプになる二人ならテメはキャスのことを「素敵な女性」だと褒めるだろうし、キャスも「あなたがそう言ってくれるなら、恋人も要らないわね」っていうのかなと思いました。付き合ってない状態でそういう会話をしてくれ。本来のネタは「記憶を取り戻す前なら、好きだった相手のことも忘れているから、取り入る隙があるのでは?と考えてしまったテメ(何もしない)と、恋なんてするわけないって思ってるキャスによるテメキャス」でした。今度はカプでリベンジします。畳む favorite やった〜! わーい! 嬉しいです! ありがとうございます! 感謝! 2025.1.3(Fri) 15:38:01 小説 edit
これをコンビで出すと「ああこの作者はこの二人のカプが好きなんだな」って匂いを感じる(テメとキャスがお互いのことを原作以上に心配してると示す)ので、コンビとして表に出すのを躊躇いました。短編です。
2025/1/5追記。
上記は考えすぎなのでは?の顔をし始めました。修正すればコンビで出せるのでは??🤔
タイトルは「Likewise(お互い様)」
諦めてカプ寄りにするべきだったかな……分からない。カプになる二人ならテメはキャスのことを「素敵な女性」だと褒めるだろうし、キャスも「あなたがそう言ってくれるなら、恋人も要らないわね」っていうのかなと思いました。付き合ってない状態でそういう会話をしてくれ。
本来のネタは「記憶を取り戻す前なら、好きだった相手のことも忘れているから、取り入る隙があるのでは?と考えてしまったテメ(何もしない)と、恋なんてするわけないって思ってるキャスによるテメキャス」でした。今度はカプでリベンジします。
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