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BONNO!
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蛸2煩悩かべうち

カテゴリ「小説」に属する投稿65件]

#テメキャス
#テメキャス短い話
#現代パラレルなど

ハロウィンによくある(?)どっちか片方が吸血鬼なやつ。深く考えてはダメです。ソリスティア世界観です。



それは、偶然だった。
いつものように治療を行い、患者の世話を焼いているだけだろうと、皆、彼女の帰りが遅くとも気にしなかった。ならばなぜ、その時に限ってテメノスが呼びに行くことになったのかといえば、パルテティオが商談で話し込み、彼の持ち金に目を光らせる賊にソローネとオーシュットが気付き、アグネアが踊りと歌を披露していて、ヒカリとオズバルドがそれに耳を傾けており、そう、消去法で様子を見に行くかと判断してしまったためだった。

穏やかな潮騒に耳を澄ませ、宿を目指す。夜食代わりになるだろうかとパンとチーズ、エールを少々持ち、宿の主人と一言二言会話を済ませてから二階へ上がった。
個室はなく、大部屋にベッドが並ぶため、彼女の姿はすぐに見て取れた。
赤い、何かを飲んでいる。薬の小瓶に入ったそれを、なんともうまそうに飲み干すと彼女はうっとりとした息をついた。
「久々の食事……」
ギシ、と。テメノスの足下で音が鳴った。ここだけ床板がたわんでいたらしい。
ハッと彼女──キャスティが振り返る。室内光はなく、窓から射し込む月の光だけが照らす中、その双眸が猫のようにはっきりと暗闇に浮かび上がっていた。
「……どうしたの?」
誤魔化せたと、思ったのだろうか。彼女は平坦な声でそう言って立ち上がった。
「夕食を、どうするのかと思いましてね。少しばかり持ってきました」
「ありがとう。治療が終わったところなの、いただくわ」
何も知らぬふりをすれば、いいのだろうか。テメノスはわずかな逡巡の末、キャスティにパンの入った紙袋を渡した。
「見ていたのに、何も言わないのね」
受け取る手前、キャスティは苦笑してそう言った。
「……では聞きますが、何をしていたんです?」
「食事よ。……記憶を取り戻して、本当の食事の仕方を思い出したの」

軽食を食べる間、彼女はぽつりぽつりと自身について語った。人のようで人とは異なる種族であること。治療の過程であふれた血を吸うことで、飢えをしのいできたこと。人間の食事も食べられるが、あくまで空腹を誤魔化すためのものであること。
「不衛生なのでは?」
「そうね、否定しない。でも、あなたの血を飲ませて、なんて言えないでしょう? 仕方ないのよ」
飢餓状態が続けば死に直結するため、自分の理想のためにも仕方なく血を飲んでいるが、生命維持さえできれば良いので、構わないという。
そんなはずはないのだろうが、かといってここで反論したところで、無意味だ。衛生的にも問題のない血となると、それは健康体の人間から血を分けてもらうということになり、今この場でその事情を知っている者がテメノスしかいないとなると──自分が分け与えることになってしまう。
キャスティもそれを分かっているから、平気なふりをしているのだ。
「本当は、皆とお別れするまで耐えるつもりだったのだけど、倒れちゃったら見境なく襲ってしまいそうで怖くて。……黙っていてくれる?」
「言いふらすような人間に見えます?」
「見えないわ。それに、あなたは気にしなくていいから、いつも通りでいて」
困ったように微笑むので、テメノスの方こそ困惑した。わざとなのか、ただ素直なだけなのか分からないが、気にせずいろというのは少々、いや、かなり難しい話だ。
「……例えば、」
「テメノス」
硬い声音で、その先を拒まれた。
「私は、これで生きてきた。ここで例えば健康体の血を得たとして、その後どうなると思う?」
「……すみません。軽率でしたね」
例えばここでテメノスの血を飲んだとして。
血の味を知ってしまえば、きっと、あとには戻れなくなる。その先に待っているのは、互いに望んだ未来ではないだろう。
だからテメノスは大人しく引き下がり、何も知らぬふりをすることに決めたのだ。

──彼女が倒れるその瞬間まで、墓まで持っていくつもりだったのだ。


(中略)


「飲んでください」
「……」
指先を差し出しても、彼女は唇を引き結び、黙っていた。
乱暴な真似はしたくない。テメノスはただ静かに血が流れ落ちていくのを見守る。
「では、私はこのまま失血するでしょうね」
「治療するわ」
「その前に、あなたの口を塞ぎますよ」
「……できると思ってるの?」
「ええ、まあ」
今の彼女はかなり衰弱しているので、テメノスでも十分に対応できる。現に今、彼女はテメノスの手を振りほどくことができずにいた。
「……早くしてください。目眩がします」
「大変。早く横になって、私のことはいいから、」
ベッドのそばにいる時点で、こちらが有利なのだが彼女は気付かなかったらしい。それほどまでに身体に支障が出ているのなら、なおのこと血を飲ませなくてはなるまい。
テメノスはキャスティを抱きしめ、片手で唇を封じるように覆った。もちろん、指先を傷つけた手である。
「っ……!」
口を開いたので指を差し入れる。舌に触れるだけでビク、とその肩が震え、抵抗力を失った。
「……キャスティ?」
「あ、……ま、待って、なにかしら、これ……」
間近で見ていたのでテメノスには何が起きたのかすぐに分かった。彼女の瞳の色が、形が変わり、猫のようにきらめいたのだ。
──気付けば、押し倒されていた。両手を掴まれ、柔らかいものに押し付けられる。
「なにを、しているんです」
言葉を発すれば、テメノスの腹の上に乗り上げ、キャスティは蠱惑的に微笑んだ。
「なにって、……食事でしょう?」




なんかそんな感じで吸血鬼とインキュバス?サキュバス?のあいの子の特徴持ってるキャスと、ただの人間テメみたいな……一度舐めると色んな意味で止まらなくなるからあまり飲みたくないキャスと、いい感じの塩梅でそれを活用していくテメと……みたいな妄想をしました。
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小説

#テメキャス成人向け
できたーーー!
最終確認後にbooth公開します。
夕方以降になります。朝公開したかったが間に合わず。


テメキャス成人向け「災い転じて」のリンク [https://hydrangeandrain.booth.pm/items/7...]

折りたたみ先は表紙(全年齢)。
20251013020437-admin.png

追記。
盗用とかトレースとか色んな話を見るたび自分の絵がそれになってないか補足したくなる。
もともとこういうポーズ・構図の絵を描こうと思ってて、2人の顔がよく見えるようにするにはどうしたらいいかな?と商用利用可能なポーズ集を見て、似たような2人ポーズのやつがあったのでそれを参考に、カメラ位置や体勢、表情などを調整して描いてます。畳む

小説,漫画

#ヒカキャス
#ヒカキャス短い話

月見酒の独自解釈あり。月見酒するヒカくんとキャス。ヒカキャスちっくというか、まあこんな感じのよくあるネタもヒカキャス似合うよね的な感じでございます。



持ち手の長い杯に酒を満たし、月の光が写るようにキャスティが腕を動かす。
「この辺りかしら……できたわ」
「気に入ったのか」
「ええ、もちろん」
以前仲間達と食事をした際にヒカリが見せたのは『月見酒』だった。酒の水面に写る月に舌鼓を打ち、空に浮かぶ月を愛でる。
一風変わった酒の飲み方を意外にもキャスティは気に入ったようで、満月のこの夜、ヒカリを呼び止め誘ってきた。
月を見ながら、二人で酒を飲まないか、と──。


友からの誘いは嬉しいものだが、特に彼女からの呼び掛けには常と違う、妙な落ち着きのなさを覚える。それはおそらく性別の違いを意識するからだろうと思うが、ではソローネやアグネアに対しても同じものを感じるかというと、さてどうだろうなと思う己もいる。
「口に合わなかった?」
「そんなことはない。……考え事をしていた」
「あら、私がいるのに他の女の子のことでも考えていたのかしら」
促されるままに酒に口を付けたわけだが、彼女の冗談に思わず顔を上げてしまった。
「そんなことは」
「冗談よ? でも、もしそういった人がいるなら聞いてみたいわね。……ヒカリくんだと婚約者になっちゃうのかしら」
仄かに赤らんだ頬から察するに、酔っているのだろう。
呆れる思いで軽く息を吐き、酒を飲む。
パルテティオが調達したと言っていた。不味いはずがなく、喉を芳醇な香りが通り過ぎ、遅れて苦味を感じる。
「ねえ、そういう人は居るの? とびきり美人なお姫様とか」
「……それを聞いてどうする」
珍しく食い下がる。いや、アグネアによれば彼女はこういった色恋話が好きなのだと聞いたような覚えもある。酒が入ることで一層饒舌になるのだろう。
「どうって、いいわねえ……って和やかに見守るだけだけど……」
「……」
案の定だ。ヒカリはねえねえと構う彼女の声に、そんな相手はおらぬ、と一言だけ返し、黙って酒を飲む。
杯が空けば、どうぞ、とキャスティが酌をした。有り難く受け止め、満ちた杯に月を写す。
「綺麗なお月様ね」
彼女が笑う。何気なくその顔を見つめて、彼女の瞳に反射した小さな光に目を奪われる。
「……私の顔になにかついてる?」
「? いや、何も」
首を振り、酒をもう一度含んでから、ヒカリは唇を緩める。
「確かに、綺麗だ」

それからキャスティが暑くなってきたと上衣を脱ぎ始めるまで、ヒカリは和やかに談笑する彼女の姿を見つめていた。
──なぜなら、傍の月が、目が離せぬほどに美しく微笑んでいたから。



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小説

#同軸妄想
#テメキャス短い話
鎮魂祭で慰められたあとの話。


拙いと思うんですが、まずは書き出してみました。



彼の優しさについて

記憶が頼りないときから、優しい人だ、という印象がある。それは対応が穏やかであるとか、いつだって笑顔であるとか、そういった理由ではなく、事実に即して諌めるべきときは諌め、慰めるときにはそばにいてくれるような、人として存在を認めるような振る舞いからくる印象だ。
時々、自業自得だと言わんばかりの意地悪も言うが、結局のところ、それによって相手の心も和むのだから、人を導く神官らしいといえば、らしい。

だからこそ──なんといえばいいのか、少々気まずいというか。

「おはようございます」
「おはよう、テメノス。早いわね」
「昨晩は早く寝たもので」
朝、いつも通り皆より早く起きたキャスティは、鞄を手に宿の外へ出ていた。戦で負傷した兵士や町の人々を見て回り、日差しが出てきたことを理由に、戻ってきた。
ヒカリとは扉の外で言葉を交わした。町を見てくるというから、いつものように彼の身体を気づかい、いってらっしゃいと声をかけた。
起きているということは、テメノスもそれを聞いていたはずだ。
「あなたの方こそ、調子はどうです?」
「ええ。この通り元気よ」
「それは良かった」
そのつもりはないのだろう。けれど、まるでそこになにか含みがあるような気がしてしまう。
オーシュットとオズバルドが起きてきたので、そのまま台所を借り、朝食の支度をすることにした。

既にみんな、旅の目的は果たした。旅の中で関わった人達のその後が気になるからと言って、もうしばらくは皆で居よう、とあちこち旅をしているだけで、いずれ終わりがやってくることは決まっていた。
一人になってしまったら、どうするのだろう、と思う。
記憶を取り戻して、唯一の仲間もこの手にかけて、多くの人を救った。晴れやかな気持ちと、これから仲間のためにも名誉を挽回しなくてはという思いもあり、一方で、どうしようもないほどの罪悪感と後悔がこの胸に巣食っている。
皆といればそれが和らぐから、繋がりは持っていたいと思う。ヒカリと話していると、何も知らなかったころの自分──人を救いたいと思う自分が勇気付けられるから、そばにいたいと思う。
恋のようで、恋でないような、そんな気持ちがあった。
どうしても惹かれてしまうから隠そうとしていた。
だというのに、いざそれを誰かに許容されると、居心地が悪くてたまらない。相手のためでもあり、自分に託された思いのためにも、違うのだと示したくてたまらないのだ。
そんなわけで、これは恋だったかもしれないが、なかったことにすると決めた。

それとは別で、わざわざその話を伝えるのもどうかと思い、ク国を旅立ってからというもの、テメノスとは一言二言、必要な会話しかできていない。
ソローネやオーシュットがいて、パルテティオやアグネアが場を明るくしてくれるし、家族を取り戻して丸くなったオズバルドが、意外にも、ヒカリと並んで優しいので、テメノスに頼るまでもなくキャスティの心は穏やかでいられたのだ。

雪深き町、ウィンターブルームにて。メリアの領主としての相談を聞き届け、盗賊達の改心を見届けた後のこと。
温室の中、ヒカリとメリアが話す声を聞きながら、キャスティは植物の様子を見ていた。まだまだ大人に頼りたい年頃ながら、領主として振る舞えるメリアの心を、せめてこの植物達が慰めてくれたら、と思う。
暇になったソローネが、蓄音機で曲でも聞いてくる、と言って温室を出ていった。テメノスもそれに続くのかと思えば、彼はソローネに手を振るだけで、入口から動かない。
「あなたも行っていいのよ」
意識して、声をかけた。
「そうしたいのですが、足に根が張ってしまいまして」
「あら、大変。オーシュットを呼んでこなくちゃいけないわね」
軽口の言い合いをして、ヒカリ達の様子を見る。相談事も落ち着いたのか、屋敷に戻ります、とメリアが言い出したので、キャスティ達もそこで別れて、酒場へ向かった。


仕事をした後であったし、鬱屈とした感情を抱えていたくなくて、酒を飲んだ。
酔いのままに皆と会話をして、そろそろ寝るわ、と酒場を出た。宿の方へ向かったものの、少しだけ火照った体を冷ましたくなって村を出る。
入り口近くなら、魔物の心配も要らない。
雪あかりを黙って見守る。
雪を踏む音が響く。仲間達の楽しげな声が聞こえる。よく響く透明な声が、和やかに仲間達を諭し、宿へ誘導する。
それから扉の閉まる音がして、辺りは静かになった。
かと思えば、ザク、ザク、と雪を踏みしめるような足音が近付く。
「凍死してしまいますよ」
「その前に引き上げるつもり」
腰を上げて、忍び寄る寒さを追い払った。
「気にかけてくれてありがとう。テメノス」
──あなたって、優しいのね。そう言いかけて、口を閉ざした。
「たまたま見えたもので。私は寒いので中に入ります」
「ええ」
ただ様子を見に来てくれただけ。分かっているから、キャスティも多くは返さず、頷くだけに留めた。
宿へ戻る彼の姿を見送って、空に息を吐く。
「……どうしたらいいのかしらね」

この時から、少しずつキャスティは自覚していた。
恋を慰められたことで、テメノスに対して甘えたくなっていることを。ヒカリに対する気持ちと近いものを、テメノスにも感じたくなっていることを、僅かながら気付いていた。
こんなに惚れっぽい人間だっただろうか、と自己嫌悪があり、同じくらい、どうしてこうも自分に不似合いな人を目に留めてしまうのだろうかと呆れてもいた。
一つだけ救いがあるとすれば、強い感情を抱く前に気付けたことだろう。
ヒカリに対する感情を認められて、反抗心が湧いたのだ。今回も同じこと、認められる前だから好きなのかも、などと浮かれてしまうだけ。

空に吐き出した息が白く染まり、風に消える。
言葉にして吐き出せば、消えてくれるだろうか。
「好きなのは、別にいいのよね……」
苦笑する。真面目に考えすぎた自分を慰めながら、宿へ戻った。


長い話になるので未完になるかなと思います。テメへ情が移ってしまったあと、や、厄介女すぎる……とキャスが心を押し隠してしまうので、テメはテメでなんか面倒ごと抱えてるなあみたいな感じでフォローしてしまい……みたいな感じかなと。
分岐としては2つあって、テメが、キャスが落ちてくるのを待ってるパターンと、テメが先に誤って振りそうになるパターンで……私が好きなのって後者だし……はい……。
どちらにせよこの感じの恋だと熟成しまくっちゃってあれなので、一人でまったり楽しむくらいの妄想で押し留めようかな、と思います。

妄想の中なら、まあ、テメが焦れてもいいし、キャスが恋を忘れようと思ってテメとも距離を置いて、でも久しぶりに会った時につい誘うようなことを言っちゃってテメに驚かれ、「冗談のつもりはなかったけど、冗談にしてくれる?」なんて煽ってしまって云々とか……こう……はい……。

明るい話書きます!!!
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#同軸妄想
#テメキャス
#テメキャス短い話

鎮魂祭でアグちゃんが踊ったあとにヒカくんがhotだった、て褒めてるのを、遠くから眺めてしまうキャスと、たまたま近くに居てそれに気付いてしまったテメ。
これまでのネタとは別軸の妄想。

キャスティ」
名前を呼ばれてからようやく、見つめすぎていたことに気付いた。
「なに? テメノス」
互いに物思いにふけって周りが見えなくなるたちなので、聞き返すことはよくある。
「散歩に出かけませんか。二人で」
「……どうしたの? 急に」
「あちらの方に、見晴らしの良い高台があるそうです。この──提灯でしたか、これは高いところから眺めても綺麗に見えるのではないかと思いましてね」
「誘う相手を間違えているんじゃない?」
くす、と軽やかに笑いながらキャスティは言葉を返した。
事実、彼と仲が良いのはソローネやオーシュットだ。年が近いせいか、キャスティとは付かず離れずの関係を築こうとしているように見え、こちらもそれに応じるつもりで言葉を交わしてきた。
テメノスは肩を竦めて、しかし微笑みを浮かべたまま踵を返す。
「それは来てみれば分かることです。行きますよ」
珍しく強引に話を引き取るので、仕方ないわね、と後をついていく。
風にク国の旗がはためく。篝火の灯りを頼りに高台までやってくるとテメノスは先程までアグネアが踊っていた舞台を指した。
「いい眺めですねえ」
「そうね」
確かに美しい景色だ。橙や朱色の灯火が町を照らしている。赤い屋根や土壁に暖色の色が反射して、目に優しい。
長い黒髪に緋色をまとうヒカリの姿をその中心にみとめた。民に慕われ、仲間に囲まれた彼は、凄惨な戦の傷をも受け止め、穏やかな表情でそこに立っている。
「ここからなら、誰を見ていても分からないと思いまして」
「……そんなに分かりやすいのね、私」
咄嗟に跳ね除けたくなってしまった心を制して、静かに返す。
「あなたにしては珍しいことをするものね、テメノス。……そんなに見ていられなかった?」
「というより、悟られないように気にしているからこそ、分かりやすかったといいますか。……私には分かりませんが、無理に抑えつけない方が良いとも聞きます」
キャスティはため息をついて、塀の上に頬杖を付いた。
不躾に恋心に触れられたことへの反抗心は既に失われ、反対に理解してほしいと甘えたくなる心が芽生えつつあった。
「ありがとう……。あなたの優しさに甘えることにするわ」
だからこそ、意識して口を閉ざす。
いくら多くの人達の悩みを聞いてきた神官だからといって、仲間相手にこのような悩みを打ち明けられるほど、分別がないわけではない。
テメノスは静かに塀に背をもたれ、空を眺めていた。立ち去ってくれても良かったし、そう言っても彼は怒らないだろうと思ったが、言ってしまうとそれだけ恋心が強いのだと伝えてしまいそうな気がして、何も言えなかった。


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#テメキャス
#テメキャス短い話

TeC「初めての人」を読む

私が見てみたかっただけのやつ。こなれているキャスと初恋でこそないが女性と付き合うのはほぼ初めてになるテメ。

以下、あとがきじみた自問自答

付き合う直前までが楽しい二人なんですかね……?
扉を隔ててアレコレする二人が好きすぎますね。私が。
これ以外の成分はコンビであることが多いからなのか……我ながら謎です。分かってるのは書くのが楽しいってこと。いいことだ!
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#ヒカキャス
#ヒカキャス短い話

前書いていた短い話を読んでて、続きを書きたくなって書いたら、サクッとまとまったので一旦置きます。
これ別パターンいくつか派生で出せそうで……楽しそうです。てかこれを漫画で描きたいな。描くか。漫画版はソロちゃんとアグちゃん出してニヤニヤさせたい。テメとオシュには触らんとこ……みたいな対応されてほしい。パルには普通にお祝いされてほしい。オズは特に変化なしだと嬉しい。

HC「あなたから始まる」を読む

100個目小説にしちゃった!まあいいか!
今夜か明日に記念絵出しまーす💪

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